弘匠塾~石組研修の様子~

先日、弊社にて行われた石組研修の様子をお伝えしていきます。

整地

 

石組み庭園の舞台となるのは、弊社の土場の一画。

我らが親方、会長の頭にある自然味溢れる風景の一コマが果たしてどんな形でこの土場に体現されていくのか。

会長の手となり足となり動く私たちに過る一抹の不安と責任感。

そしてそれらをはるかに上回る期待と喜びを感じながら、ひたすら土場を整地していきます。

今回の研修に参加していただいたのは15名程の方々。皆で整地したのであっという間にきれいになりました!

位置だし

会長が今朝数十分で描いたという、風流な一大絵巻物と見紛う図面をみながら、会長自ら景石や流れの形をマーキングしています。

どうやら大まかに滝石組と流れ、蹲踞をつくるみたいです。

ピンクのマーキングは盛り土する箇所。

中央の流れの部分を深く掘り下げ、出た土で周りにいくつか築山をつくっていきます。

さあ、ここからユンボのターン!

掘削・盛り土

ユンボで流れの部分を掘り進めていきます。

掘るものと築山を成形するものとで分かれて作業。

土が濡れているのは、土が乾いていると扱いずらいので濡らして固めやすくしています。

だんだんと庭の地形ができてきて、その全貌が明るみになってきました。

土のアンジュレーションだけでこれ程までに場の動きが出せるものなのかと感心してしまいました。

滝石組

ある程度地形ができたところで、いよいよ石を据えていきます。

まずはこの庭の主役といっても過言ではない滝石組からです。

ユンボの動線の関係で、予定とは異なる場所に滝石組をつくることになりました。

想定外の事象をものともしない臨機応変な柔軟な判断は、底知れない経験値から導き出されたものでしょう。さすが会長です。

倒れそうで倒れない、動きのある石組が滝石組のポイントなのだそう。

金八先生じゃないですけど、「人」の字の様に石と石とが重ね合わさる点の力の均衡が、この滝石組からはじりじりと力強く感じられます。

よく石の向きや形が空間に作用する力を「気勢」といいますが、このじりじりとした芯を揺さぶる地響きのような力は「気響」とでもいえましょうか。

楽器で例えるなら気勢がギターで、気響がベース。

この2つの音色が奏でる心地いいハーモニーが、会長の石組の真骨頂だと私は勝手に思っています。

流れ蹲踞

ある程度滝石組ができたところで、次はつくばいをつくっていきます。

つくばいはつくばいでも、流れのつくばいです。

水の流れの中に手水鉢があることを想定して石を据えていきます。

つくばいは庭の中でも実用性の高いところなので、実際に屈んで使いやすい位置に据え付けます。

また、手水鉢の中に実際水を入れ、水の溢れる向きを微調整していきます。

手燭石と湯桶石も据え付け、流れ蹲踞の完成です。

灯籠・飛び石・仕上げ

中くらいの石を3つ合わせていますが、これは灯籠を据え付ける土台です。

飛び石も着々と据えられていき、岬灯籠も置かれました。

岬灯籠は桂離宮にあるものが有名で、池を海に、岬灯籠は海を照らす灯台に見立てられて据えられています。

滝石組の周りにも景石が据えられ、更に迫力のある石組になっていきます。

最後に切石を据え、仕上げに全体を慣らして完成です。

切石を据えたことでアクセントになり、より自然石の野趣感や石組の力が強まりました。

完成

最初の写真の土場とはまるで見違えるよう。同じ空間とは到底思えません。

会長の底知れない凄さを垣間見ることができ、自ずから恐悦至極の域に達っすることを禁じ得ませんでした。

今回の研修で学んだことは大きく3つ。

まずは土の効果的な使い方。

庭づくりにおいて土盛りが最も安価でありながらダイナミックな演出ができることを身をもって知りました。

そして今回の目玉、景石や石組の据え方。

状況や目的によって据え方は異なり、中でも動きのある石組について学ぶことができました。

そして思想的な面では、近ごろ考えていた日本庭園における石の重要性についての答えを導き出してくれました。

日本庭園の3大要素とは木、水、石だといわれますが、木や植物だけ植えてあってもそれは樹木園や花壇に他ならないし、水だけが流れていてもそれはビオトープや噴水で日本庭園ではありません。

しかし、石や土さえあれば日本庭園はつくれてしまう。

というかそれこそが日本庭園の特色だということは石以外を排した枯山水の庭で歴史が証明していますね。

石とは日本庭園の中核をなす骨格であり、石が無ければ日本庭園とはいえないとまでいえるでしょう。

日本庭園の伝統は石と共にある。それはこれから先どんな庭がつくられようとも変わることのない鉄の掟ならぬ石の掟なのだと思います。

 

以上、石組講習の様子をお伝えしました。

弘匠塾、まだまだ塾生募集中ですので気になった方はぜひ近江庭園までご連絡くださいませ。

記事・・・飛田亮

枝折り戸をつくりました

突然ですが皆さん、枝折り戸ってご存知ですか?

主に竹や木の枝を用いてつくる簡素な扉のことで、日本庭園内や露地・茶庭に設置されています。

庭において和の風情を醸し出す竹の構造物。その代表的なものといえば竹垣でしょうが、この枝折り戸も竹垣と同じくらい和の庭には欠かせない存在です。

そして竹垣同様、現代の私たちの生活の中では姿を消しているものでもあります。

手軽に安く済む塩ビ製の商品も流通していますし、今の庭師のなかでも枝折り戸をちゃんと一から自分の手で作れる職人は少ないでしょう。

でもそれじゃまずいと思うんです。

実際つくれる人間がやむを得ない理由で既成の商品で済ますのは良しとして、つくった経験のないものが既成のもので済ますのは職人の名折れでしょう。

どんどん廃れていく伝統技術。まだ微かに残り香としてある日本人としてのアイデンティティすら喪失してしまえば、私たちは世界になにを誇り語れるのでしょうか。

日本文化と自然を愛する身として、職業としてそれらに携わる身として、そんなプライドと危機意識をもって枝折り戸の作成に挑戦してみました。

枝折り戸をつくってみた

まずは枝折り戸の枠の部分をつくっていきます。

使うのはこの5本の細竹。

竹と竹を組み合わせる箇所に穴を空けます。

ドリルと小刀を使って最小限の大きさの穴を空けました。

穴の大きさの微調整が難しいですが、スポッと入ると気持ちいいですね。

枠組み完成です!

次は竹を割って削いでひご状にし、編みこんでいきます。

まずは対角線でバッテンに交差する筋交いを入れます。

丈夫にするために、編み込む竹皮よりも少し厚めのものにします。

竹枠に少し切れ込みを入れ、筋交いを入れ込みました。

下の木の台は、竹枠を立てて作業しやすくする作業台です。

格子状に編み込み、シュロ縄で交差したところを結んでいけば完成です。

細かい所で失敗してしまった箇所がいくつかありますが、初めてにしてはなんとか形になったと思います。

上の写真で枝折り戸にかかっている竹の輪っかは箍(たが)。

「たがが外れる」なんて言葉がありますが、そのたがのことです。

和樽にハマっているものをよく目にしますが、枝折り戸では錠前の役割を果たします。

日本庭園の枝折り戸を見に行くと針金の輪っかやロープなどで代用していることがありますが、たがも姿を消してしまった日本文化のひとつですね。

これからも日本の伝統技術を一つ一つ覚え自分のものとし、現代の要求に合わせ昇華させる力を身につけていきたいです。

記事・・・飛田亮

枝折り戸作成中・・・

庭において和の風情を醸し出す竹素材の構造物たち。

その代表といえばやはり竹垣でしょうか。

しかし只今私、竹垣よりも竹細工的な要素の強い枝折り戸の作成に挑戦中です。

果たしてうまく作れたのか、来週のブログにてお知らせできればと思います。

日本の伝統文化が根底に流れる竹の仕事は楽しいです。

記事・・・飛田亮

軽トラガーデンをつくりました!

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先日、軽トラガーデンを作ったのでその模様を記事にしていきます。

軽トラガーデンって?

ずばり!軽トラックの荷台につくった庭のことです。

ショーガーデンの一様式で、施工・撤収も簡単にできることから便利。

ただし軽トラの積載量がある為あまり大掛かりなことはできません。

気軽に庭をつくり楽しむのに適しています。

つくってみた

軽トラガーデンを作るのは今回初。

今回の軽トラガーデンショーには滋賀県内の8社の造園会社が参加します。

開催地は大きな公園で、遊具のある広場の目の前で行われるため多くの子どもたちをはじめ家族連れのお客さんが訪れます。

特にテーマなどはないため、以上のことを踏まえたうえでレッツデザイン!

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とりあえず簡単なデザインを描いてみました。

ちなみにデザインから施工まで全て一人で行います。庭師3年目の今の自分の力でどんなものがつくれるか、力試しでもありました。

テーマは日本神話の「ヤマタノオロチ伝説」。

自分が庭師になった理由である「自然」と「日本文化」の素晴らしさを伝えたいということ。

それを子どもたちに伝えるにあたって、日本文化の血が通ったアクティブなストーリーとしてヤマタノオロチ伝説が思い浮かびました。

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瓦のオブジェの試し置き。

これはヤマタノオロチの頭上にかかっていたという雲を表現しています。

オロチを退治した天叢雲剣や舞台の出雲など、わりと「雲」がキーワードなのでどうしても取り入れたい要素です。

また、弊社近江庭園がよく施工するシンボル的な要素でもあります。

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さて、軽トラの背面を隠す2枚の「ふすま風目隠し」をつくっていきます。

日本昔話的なイメージで、ふすまの向こうからオロチが鎌首をもたげている様子を表現しようと思いました。

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カネライトフォームに瓦を薄く切って張りつけ、模様をつくります。

土壁風に塗るのに、セメントだと運搬時に割れてしまう恐れがあるのでボンドに砂を張りつけるという斬新な手法を用いました。笑

この模様も雲海をイメージ。砂を張らないところには苔を張ります。

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もう一枚は遊び心で木の枝?のような模様に。

左右対称で雲海デザインにする予定でしたが、せっかくなので遊んでみました。

コケを張ると木っぽく見えてきた気がします。

コケがかなりの水分を含んでいたためべちょべちょになり、この後塗りなおす羽目に。笑

本番ではなるべく乾燥させたコケを使うようにします。

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お次はこの庭のメイン、ヤマタノオロチに見立てた蛇籠をつくっていきます。

山で竹を採ってきて、割って、剥いで、編む。

蛇籠は少なくとも6~7本はつくりたい所なので、かなりの労力が必要です。

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2m程の蛇籠を編むのに5mのヒゴが8~9本程必要です。

ヒゴ1本作るのに20~30分程かかるので毎晩遅くまでかかりました。

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結局できたのは長い蛇籠3本と短い蛇籠4本。

曲がっているのは蛇をイメージしているからです。

本当はもっとぐにゃぐにゃにしたかったのですが、中々曲がりませんでした。

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軽トラガーデンショー前日。

石組みと砂利で流れをつくります。

川の流れが徐々に緩やかになる様を石の表情で表現しました。

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植栽と蛇籠を設置するとこんな感じの雰囲気に。

コムラサキとススキが良い味を出してくれています。

花はダイモンジソウ、リンドウ、キクやナデシコを使っています。

あとは当日、苔と瓦を配して完成です。

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当日の朝、なんと台風の影響で雨模様。

しかし小雨なので雨天決行です。

ふすま風目隠しも苔を張るといい感じに仕上がりました!

完成!

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伝統美がありつつダイナミック。山野草たちやコケの美しさを楽しめる作品に仕上がりました。

雨でふすまがべちょべちょにならないか心配でしたがなんとか乗り切りました。

もっと蛇籠をつくって暴れさせたかったなどいろいろ反省点は残りますが、初めてにしてはなかなか良くできたのではないでしょうか。

最初から最後まで一人でつくりきったので、庭師としての自信がついたのがなによりの収穫です。

以下、一緒に出展した皆さんの作品も紹介していきます。

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こちらは家族で楽しめる芝を張った開放感のあるお庭でした。

小物づかいとても上手でおしゃれ。これからの時代の庭という感じです。

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こちらは複雑な竹垣で囲まれた庭。

中には風流な仕掛けがあり、思わずはっとさせられました。

伝統美と遊び心が同居する粋な庭でした。

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こちらは現代的なシンプルな庭でした。

和の素材を使わず和を表現するという面白いテーマでつくられています。

ティーカップに入ったパキラの盆栽が可愛かったです。

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この庭が今回最も面白く、荷台には得体の知れない黒いBOXが。

小さな穴から中を覗くと小さな庭が広がる面白い仕掛けです。

茶室の躙り口を想起させる斬新な発想に感服しました。

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こちらはさっぱりとした雰囲気が心地いいお庭です。

シンプルながら細かい気配りが垣間見え、現代の需要にあった庭だと思いました。

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こちらは今回最も季節感のある楽しいハロウィンの庭です。

土場にあったあり合わせの材料でこの完成度はすごいと思います。

個人的にレンガの苔の張り方が好きです。

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最後はシマシマ模様の美しい網代垣が目を惹くお庭です。

水が流れているのでししおどしの音が鳴り響き、最も子供たちの関心をひく人気の庭でした。

 

以上、軽トラガーデンのレポートでした。

今回の経験で得たもの、学んだことはたくさん。

これからもこういった機会にどしどし挑戦して成長していきたいと思います。

 

記事・・・飛田亮

はちおうじフェアのショーガーデンをつくりました!

 

https://www.instagram.com/p/BYIrLhHFgW8/

 9月16日〜10月15日まで、東京都八王子市にて「全国都市緑化はちおうじフェア」が開催されます。

この期間、八王子市内は花とみどりに溢れかえるお祭り会場と化す訳ですが、そのメイン会場である冨士森公園にて先週ショーガーデンをつくってきました。

といってもまだ完成ではなく、開催直前にコケや下草類の植栽をするため8割方完成といった感じです。

今回はその模様を少しだけ皆さんにお見せしていこうと思います。

 

 皆さんご存知の通り私たちは滋賀県の造園屋。

八王子までは車で6時間以上の長い道のりです。

ショーガーデンに使う樹木や石材を一挙に持っていくとなるとだいぶ大掛かりになってしまうので、知り合いの都内の造園屋さんに協力を仰ぐことに。

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これは八王子の造園屋さんにて景石をお借りしている所です。

他にもたくさんの樹木や石材を使わせていただき、本当に助かりました。

同業者ながら切磋琢磨していく連帯感のようなものが緑化フェアの会場全体に流れており、これも一つの醍醐味だなと感じました。

というわけで移動と材料の準備で一日目は終了です。

 

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2日目、作業開始です。

まずは土をせき止める為の枠組み作成。

現場は電気が使えないため、手ノコでコンパネを切っている所です。

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盛り土をし、景石を据えていきます。

会長(親方)の指示で面白い程ポンポンと手際よく決まっていきます。

なにやら荘厳でありながら優美な石の流れが感じられ、感服しています。

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続いて樹木を植えていきます。

使うのはアオダモとモミジ。

どちらも幹の細い株立ち状のもので、自然味あふれる枝ぶりが雑木の庭の風情を醸し出しています。

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次は石積みです。

写真は根石を据え付けているところですが、地面が一部舗装され掘ることができないため高度な石の扱い方が要求されます。

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だんだんと高く積み上がってきました。

石積みとしての絶対条件である崩れないことはもちろん、四隅の凛とした角の出し方や、大中小の石のバランスのデザイン性など些細なことに注意を払いながら積まれていきます。

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2日目終了。

石積みの根石までいければいいと思っていましたが、手際よく進んだので石積み完成まであとちょっとのところまできました。

これで明日以降の作業がぐっと楽になりました。

 

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3日目、積んでいる写真を撮る間もなく石積み完成です。

天端石もキチンと収まり、城積み独特の美しい輪郭が見事に浮かび上がりました。

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これは手前に植栽マスをつくっている所です。

この後、明日使う下草や砂利を準備しにいき3日目を終えました。

 

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作業最終日、昨日つくった植栽マスにモミジと下草の山野草を植え、ゴロタ石でマルチングしていきます。

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仕上げに立派なモウソウチクを使って枠をつくります。

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枠ができるとやっぱり違いますね。

後は開催前にコケと下草類を植えて、完成です。

 

 冨士森公園のロードサイドガーデン、公園入口から二つ目の庭です。

ぜひお近くの方は足を運んでみてくださいね!

 

記事・・・飛田亮

GardenPorterの庭づくり日誌〜シダレザクラが風にそよぐ自然風の庭〜

皆さん、お久しぶりです。

先週はブログを更新しませんでしたが、それは庭づくりの出張に遠方に泊まり込みで行っていたためで決してサボりではありません。

泊まり込みで庭づくりする機会は数少ないですが、一つのお庭に最初から最後まで真剣に寄り添い完成させる貴重な体験ができるので私は好きです。

せっかくなので今回はその庭づくりの様子をまとめて記事にしていきたいと思います。

庭づくりといっても1からつくり始めるわけではなく、お庭のリフォームという感じでした。

ですのでそれ程日数もかからず、5日間程で工事は完了しました。

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こちらが着工前。

16平米程の芝が張られたお庭ですが、ご覧の通り大量の鉢もので埋め尽くされていました。

つるバラを誘引する金属製のアーチが中央に埋め込まれ、せっかくのお庭が狭く感じられます。

まだ春の初めだからいいものの、夏ごろになれば葉が繁茂しきっと身動きがとれない状態になってしまうでしょう。

また、お施主様は大の花好きであるため鉢植え同様地植えにもたくさんの花木が植えられていました。

これらの花木も整理し、柔らかな風の吹くスッキリとしたお庭に仕上げたいものです。

という訳でまずは全ての鉢ものやアーチを取っ払うことに。

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そしてこちらのシンボルツリー。

大きなヤマボウシですが、心機一転違う種類の樹木に植え替えることになりました。

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ヤマボウシの周りの花木を掘り取りつつ・・・。

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ヤマボウシの根鉢をなるべくコンパクトにまとめていきます。

男性の腕くらいの太さの根っこが四方八方に伸び、これをノコギリで切っては掘り、切っては掘りを繰り返すこと数時間。

ようやく幹を押すと根鉢が揺れるようになりました。

もうこうなったらしめたものです。

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ある程度根巻きをして、一気にユニックで引き抜きます。

頑張って根鉢を掘った甲斐もあり、すんなり持ち上がってくれて助かりました。

しかし木が空を飛ぶ衝撃的な光景はいつまで経っても慣れる気がしませんね。

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そしてすかさずシダレザクラを植樹。

「祇園紅枝垂れ」という京都で生まれた品種で、濃い紅色の花を咲かせます。

今年は枝の整理に剪定したため花芽が少なくなってしまいましたが、来年からはたくさんの花が咲き誇ってくれることでしょう。

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鉢物やアーチを撤去し、花木を整理したことでとてもスッキリとしました。

さらに土を搬入し、切石を据えました。

この切石は後々お庭のアクセントになりますので、お楽しみに。

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移動日も含めここまでで2日間経過です。

シダレザクラの剪定枝がもったいなかったので、ホテルに持ち帰ってブーケ風に飾りました。

このサクラが咲くころにはきっと工事は無事完了していることでしょう。

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3日目は自然土風の舗装材で仕上げる為の、型枠工とモルタル打設。園路の下地を作ります。

薄いベニヤ板を曲げて型枠することで、直線ではなく柔らかな曲線を描き出します。

こうすることで自然風の庭に馴染む柔らかな雰囲気の園路が出来上がるのです。

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翌日、すっかり乾いて固まったモルタル下地の上に自然土風舗装材を打設していきます。

園路の表面に凹凸ができないよう、慎重な作業が繰り返されます。

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園路が固まるのを待つ間、瓦のモニュメントをつくることに。

2日目に据えた切石に瓦を規則正しく積んでいきます。

瓦のモニュメントは左右に2つ。それぞれ違う種類の瓦を使っています。

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さて、いよいよ最終日です。

剪定枝ブーケも見事に咲いてくれました。

これはいい庭が仕上がりそうな予感がしますね。

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園路が固まっているのを確認して型枠を慎重に外し、仕上げの下草を植えれば完成です。

柔らかな風が気持ちのいい自然風の庭に仕上がりました。

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エクステリア用の椅子とテーブルも配置し、お庭でのんびりとくつろげるスペースもできました。

シダレザクラも咲き始め、家族だけのお花見も楽しめますね。

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瓦のモニュメントが柔らかな雰囲気を引き締める良いアクセントになっています。

瓦は日本で古くから使われてきた和のマテリアルですが、庭に取り入れるとあまり威圧感がなくモダンでおしゃれな雰囲気をもつ不思議な素材です。

和風、洋風、自然風、モダン。

それぞれの要素を含有しながらも、うまく溶け合った唯一無二の庭に仕上がったと思います。

そして何より四季折々の花木に恵まれた楽しい庭になりました。

以上、今回の庭づくりの記録をまとめてみました。

またこういう機会があれば記事にしたいと思いますので、楽しみにしていてください。

記事・・・飛田亮

【今の仕事を選んだ理由】なぜバックパッカーから庭師になったのか【今週のお題】

今週のお題「今の仕事を選んだ理由」

このブログ始まって以来初!はてなのテーマに沿って書いてみたいと思います。

別にネタが尽きたってわけじゃないです。(笑)

 庭師ってなに?

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いわば技術版オリンピック!12/4~7日、東京で技能五輪全国大会が開催されました!

今月の4日〜7日まで、東京で技能五輪全国大会が開催されました。

技能五輪とはいわば技術版オリンピック

建築、機械、美容、料理などなど様々な職種の競技を全国から集まった選手が競い合う技の祭典です。

競技はみっちり2日間かけて行われ、技術はもちろん精神力や体力も要求されます。

23歳以下という年齢制限もあり、私はギリギリ参加できず残念でしたが、その中の造園部門に我が社からも1人、選手として参加しました。

その作品がこちらです。

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結果は惜しくも銅メダル。それでも大したものです。

平日仕事が終わった後や、休日も休みなく練習を重ねた成果が出たのでしょう。

来年も出場する気満々なので、今度こそは金メダルを勝ち取ってくれ!

ちなみに来年金メダルを手にすると、世界大会に行ける切符を手にすることができます。

技能五輪世界大会は2年に1度開催されるのです。

今年はあくまで国内大会止まりでしたが、一年おきに世界大会への出場権も兼ねた大会が開催されます。

そして次の世界大会の会場はドバイです。

これはぜひ優勝して、一緒にドバイに連れて行ってくれ!

ドバイは一度トランジットで訪れたことがありますが、世界一大きいショッピングモールの中の世界一大きな水槽や、世界一大きいタワー「ブルジュ・ハリファ」など豪華で世界一なものばかりのとてつもない世界が広がっていました。

でも、正直だからなんなんだ?って感じがしたのは否めません。(笑)

ただ、私はドバイが、砂漠の世界が提示してくる課題が一体どんなものなのか気になって、見てみたくて仕方ないのです。

世界大会の課題内容は開催国の風土にあったものが出題されるので、過去日本で開催されたときは見事に日本の選手が優勝していました。

今までヨルダン、イスラエル、エジプトなど砂漠の国々を旅してきましたが、なかなかこれが砂漠の庭か!とピンと来るものに出会えずじまいでしたので、本当に気になります。

もしかしたらイスラム式庭園に見るような幾何学模様の意匠をつくらされるかもしれませんね。だとしたら日本人はかなり不利です。

ちなみに過去の記事でもお伝えしましたが、今年8月に行われた世界大会には我が社の選手が出場しました。

↓過去の記事↓

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会場はブラジルのサンパウロ。

使われた植物たちは、日本では植物園の温室でしか見れないようなものばかりで、斬新な感じがしておもしろかったです。

南国の庭はまさにパラダイスって感じですね。

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以上、技能五輪についてでした。

記事・・・飛田亮

 

職人集団のオリンピック 国際大会に出場! 〜ランドスケープガーデニング部門〜

山野草の初心者も安心のネットショップ“GardenPorter”(ガーデンポーター)では、山野草を中心に小ぶりの植物をお客様にお届けします。“GardenPorter”は株式会社 近江庭園という造園屋さんが運営します。近江庭園では庭師(職人)が、お庭づくりをはじめお庭の剪定(庭木の散髪)等をしています。

オリンピックというと、世界のトップアスリートたちが4年に一度、多岐の種目にわたり競技を行う大会ですが、世界の職人たちがいろんな職種の職業技能(スキル)を競い合う世界大会として「技能五輪国際大会(world skills)」があります。
技能五輪国際大会(world skill)は2年に1度開催されますが、過去には2007年に静岡県の沼津市で、今年はブラジルのサンパウロで8月11日(火)〜8月16日(日)の期間開催され、61ヶ国が参加します。

昨年の2014年度に開催された技能五輪の国内大会において、近江庭園の若手社員2名(石見・神藤チーム)がなんと金メダルを獲得!
国際大会への出場権を得て、日本代表としてランドスケープガーデニング(造園)部門に出場することが決定いたしました!

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★横断幕が目立つ技能五輪国際大会専用の練習場。

ちなみにランドスケープガーデニング部門の参加国は次の17ヶ国です。

  • ヨーロッパ:ドイツ フランス スイス オーストリア オラダ イギリス
    スウェーデン スペイン フィンランド 南イタリア   エストニア 
  • 中東:   UAE
  • アジア:  日本
  • アメリカ: カナダ ブラジル パラグアイ チリ

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★競技項目の石積み

  濃いオレンジ色の花はハイビスカス

    すっごく南国っぽいお庭です。

 ランドスケープガーデニング部門では2名1組のチームで競技が行われ、4日間(合計22時間)かけてどのチームも全く同じ課題を、与えられた図面通りに庭を作庭するのです。競技する庭は6.9m×6.9mという正方形のエリアで、石積(石垣)、石畳み、レンガ積み、飛び石、ウッドデッキ、池、芝張り、植木、花植え等の項目が盛り込まれた大変過酷な庭づくりの内容になっています。
出場決定後、彼ら2名は、土日も返上して日々猛練習をしています。練習内容は課題発表がされてから、規定通りの材料をとりそろえて22時間という時間内に作っては解体、作っては解体、ということを何度も何度も繰り返しています。時間内に、正確に、精度を限りなく上げて、美しく庭づくりをするのです。目標はもちろん金メダルです。

 またその他の種目としては次の50種目があります。

ポリメカニクス

情報ネットワーク施工

製造チームチャレンジ

メカトロニクス

機械製図 CAD

CNC旋盤

CNCフライス盤

石工

ビジネス業務用ITソフトウェア・ソリューションズ

溶接

印刷

タイル張り

自動車板金

航空機整備

配管

電子機器組立て

ウェブデザイン

電工

工場電気設備

れんが積み

左官

広告美術

移動式ロボット

家具

建具

建築大工

貴金属装身具

フラワー装飾

美容/理容

ビューティーセラピー

洋裁

洋菓子製造

自動車工

西洋料理

レストランサービス

車体塗装

造園

冷凍空調技術

ITネットワークシステム管理

グラフィックデザイン

看護

構造物鉄工

プラスティック金型

ビジュアル販売促進

試作モデル製作

曲げ板金

建設コンクリート施工

パン製造

産業機器組立て

重機メンテナンス

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★競技項目の植栽

  手前の赤・黄・緑の色が入り乱れている葉っぱの植物はクトロン

    なんとも奇妙な色合いだ。

みなさん、応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 GardenPorterは、高い技能と熱い思いをもってお客様に植物をお届けします。

  ガンバレ 石見くん、神藤くん!

 山野草の初心者も安心のネットショップ“GardenPorter”(ガーデンポーター)は、ただいまリニューアルオープンの準備中です。

8月下旬リニューアルオープン予定です。

よろしくお願いいたします